開発するうえで大切な要素のひとつに「フィット＆ギャップ分析」があります。パッケージ商品をカスタマイズする際に用いる分析手法で、システムとお客様の適合部分（フィット）と乖離部分（ギャップ）を洗い出します。例えば販売管理システム。管理する製品数や、画面・操作方法をはじめとしたユーザーインターフェイス（UI）など、基本的に仕様は決められています。お客様の要求事項と対比しながら“実現できること／できないこと”を洗い出し、修正や追加が必要な機能を判別。システムをカスタマイズするために必要な情報を整理していきます。そのうえでフローチャートと呼ばれる設計書をExcelでまとめるのが要件定義。いわゆる上流工程の仕事です。開発の仕事にプログラミングの知識は必要ですし、その道を究めることも可能です。ただ、上流になるほど求められるのは“相手の意図をくみ取り、情報を整理する力”です。その分かりやすい例として使われるのが「フィット＆ギャップ分析」。もちろん新規システムの案件もあり、その際はお客様の要求を詳しくお伺いしながら要件を定義していきます。いずれにせよ必要なのは、人の話しを聴き・情報を整理する力です。

さきほどご説明したのは上流工程。経験に応じて徐々に任されていく領域です。入社間もない新入社員が任されるのは十中八九プログラミングになるでしょう。RPG、Java、JavaScript、VB、VB.netなど、得意な言語知識が最大限活かせるような業務が任されます。プログラミングに関しては原理・原則さえ理解すれば、経験に比例して専門性は増していきます。トコトン突き詰めるのも悪くはありません。ただ、欲を言えば幅広く知識を吸収して欲しいと思っています。分かりやすい例が、先ほども少し話に出たExcel。設計では必ずと言っていいほど用いるため、使用頻度は高いです。また会計に関わる知識も求められます。販売管理システムや会計システムを中心に、入出金に関わるシステムが多いため“必然的に身につく”とも言えます。PL/BS、勘定科目など、用語や考え方を無理なく少しずつ学んでいただければ構いません。経営学や商学を学んだ方には有利な分野になるでしょう。あなたが「プログラマー」ではなく「エンジニア」を目指すなら、専門性を追求するのではなく幅広い知識を吸収していく必要があります。昇格するには「日商簿記3級」など、資格取得条件もありますしね。